【看護研究テーマ一覧】どの病棟でもできる!実用性の高いテーマ4選

どの病棟でも始められる実用的な看護研究テーマと、すぐ使えるPICO・PECOの例を紹介!

看護研究のテーマを決めるとき、
「何をテーマにしたらいいのかわからない」「現場で使える内容にしたい」と感じる方は多いのではないでしょうか。

看護研究というと難しいイメージを持たれがちですが、
テーマの選び方次第で、日々の業務をより良くするための実践的な研究になります。

今回は、どの病棟でも取り組みやすく、すぐに現場へ還元できる看護研究テーマ4つを紹介します。
研究をする人も、協力する人も楽しめる内容を中心にピックアップしました。


目次

看護研究テーマを選ぶときのポイント

テーマを考えるときは、「自分たちの職場で変えられそうなこと」「すぐにデータを集められること」を意識すると進めやすくなります。

特に、次の3つを意識すると良いでしょう。

  1. 現場にすぐ活かせる内容であること
  2. 観察や調査票など、手間のかからない方法でできること
  3. 自分や同僚が楽しめる要素があること

この視点で考えると、「研究」としても成立しつつ、日々の仕事に直結するテーマが見つかります。


テーマ①:夜勤後の行動と幸福度(VAS・PANASで比較)

夜勤明け、まっすぐ寝る人もいれば、少しリフレッシュしてから寝る人もいます。
このテーマでは、夜勤後の過ごし方と幸福度の関係を明らかにします。

方法の一例:

  1. 夜勤後の行動を「すぐ寝る」か「軽くリフレッシュしてから寝る」に分類
  2. 翌日の幸福度をVAS(0〜10段階)またはPANAS(佐藤ら, 2001)で評価
  3. 行動パターンごとに平均値を比較
項目内容
P(Population)病棟勤務の看護師(夜勤経験のある看護師)
E(Exposure)夜勤後にリフレッシュ(散歩・カフェ・趣味など)してから寝る行動
C(Comparison)夜勤後すぐに就寝する行動
O(Outcome)幸福度(VASスコア、PANASによるポジティブ感情の平均値・中央値)
研究目的例夜勤後の過ごし方の違いが、幸福度に与える影響を明らかにする。

もし「軽くリフレッシュしてから寝る」グループの幸福度が高ければ、
夜勤明けのセルフケアとして有効な過ごし方の一つだと考えられます。

このテーマは、データ収集が簡単で、すぐに現場のケア改善に役立つ実用的な内容です。
夜勤明けの疲労軽減やストレス対策にもつながります。


テーマ②:残業時間が一番少ない看護師の行動を観察する

どの病棟にも、「なぜかいつも定時で帰っている人」がいます。
このテーマでは、その人の行動パターンや時間の使い方を観察します。

たとえば、対象の人を半日~1日観察するなどして、

  • 記録をどのタイミングで書いているか
  • 優先順位のつけ方
  • 他職種との連携の仕方

こうした観察をするだけで、業務効率化のヒントが見えてきます。
結果を共有すれば、チーム全体の残業削減にもつながるかもしれません。

項目内容
P(Population)同一病棟で勤務する看護師
E(Exposure)残業時間が少ない看護師の行動・勤務中の工夫
C(Comparison)残業時間が多い看護師の行動・勤務習慣
O(Outcome)行動の違い(時間の使い方・記録のタイミング・優先順位づけなど)
研究目的例残業時間の少ない看護師の行動特性を明らかにし、業務効率化のヒントを得る。

他者を観察すると自分の学びにもつながる事象は社会的学習理論と呼ばれ、現場研修などでも活用されています。

観察を通して学びを共有するタイプの研究なので、比較的取り組みやすいテーマです。


テーマ③:行動を1つ真似して、残業時間を比較する

上記の観察結果をもとに、「この行動なら取り入れられそう」と思うものを1つ選び、病棟スタッフで実践してみます。

たとえば、

  • 「朝の申し送り前に優先度リストを作る」
  • 「日中のうちに記録を終わらせる時間を決める」
    といった、身近な工夫でも良いでしょう。

1~2週間ほど実践し、真似する前と後の残業時間を比較します。
結果を数値で見ることで、自分達の業務スタイルの改善点が明確になります。

項目内容
P(Population)一般病棟に勤務する看護師
I(Intervention)残業時間が少ない看護師の行動を1つ取り入れる(例:午前中に記録の時間を計画する)
C(Comparison)介入前(取り入れる前)の自分の勤務スタイル
O(Outcome)残業時間、自己効率感、疲労度など
研究目的例効率的な行動の実践が、残業時間および自己効率感に与える影響を検討する。

このテーマは「業務改善 × 自己分析」という形で、どの病棟でも応用可能です。
チーム単位で取り組めば、より大きな成果につながるでしょう。


テーマ④:性格診断(MBTI・BIG5)×「ヨシっ」と思える瞬間

MBTIやBIG5などの性格診断を活用して、
看護師の性格タイプと“やりがいを感じる瞬間”の関係を探るテーマです。

やり方はシンプルです。

  1. 性格診断を行い、自分のタイプを把握する
  2. 仕事中に「今の自分、ちょっといいかも」と思った瞬間をアンケートをとる
  3. タイプごとに共通点を整理する
項目内容
P(Population)病棟勤務の看護師
E(Exposure)MBTI・BIG5で分類された性格傾向
C(Comparison)他の性格タイプ(例:外向型 vs. 内向型)
O(Outcome)「ヨシっ」と思える瞬間(やりがい・達成感を感じる状況の種類や頻度)
研究目的例看護師の性格傾向と、やりがいを感じる瞬間との関係を明らかにする。

たとえば、「外向的なタイプはチームでの連携にやりがいを感じやすい」「内向的なタイプは丁寧な観察や記録に充実感を持つ」など、傾向が見えてきます。

結果を共有することで、お互いの得意分野やモチベーションの違いを理解でき、
チームワークの改善やストレス軽減にもつながります。

研究というより、心理学的な職場分析として楽しめるテーマです。


看護研究を“現場の改善ツール”として考える

看護研究は、特別な人が行うものではありません。
現場でのちょっとした気づきを言語化し、データとして整理することで、自分たちの行動を評価し、次の改善につなげることができます。

大切なのは、「何を変えたいのか」「どんな結果が分かったらみんなが嬉しいか」という視点を持つこと。
その結果が、業務の効率化やスタッフの満足度向上に結びつけば、
それが現場に還元された看護研究です。


まとめ|看護研究は“現場をより良くする小さな工夫”から

今回紹介したテーマは、どれも特別な準備をしなくても始められるものばかりです。

  • 夜勤後の行動と幸福度を記録する
  • 残業が少ない人の行動を観察する
  • 効率的な行動を真似して比較する
  • 性格とやりがいの関係を探る

これらのテーマは、「現場の改善」と「個人の成長」の両方につながります。
小さな一歩からでも、研究は始められます。

看護研究は、現場を少し良くするための”当たり前”の可視化。
まずは身近なことを一つ、観察してみることから始めてみましょう。


もし、「自分に合ったテーマを一から見つけたい」「関心に沿った研究テーマを考えたい」という方は、
こちらの記事もおすすめです。

このブログでは、看護師個人の関心に合わせてテーマを見つけるための生成AIの活用法や、
テーマ決定までの具体的なプロセスを分かりやすく解説しています。
テーマ選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

看護学博士。臨床経験5年、研究歴10年以上。
現在は看護師さんの看護研究を支援する「Medi.Ns.Lab.」を運営し、初心者の方にもわかりやすいサポートを心がけています。

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